スークイルギザでエジプト人を知る。

観光地化されていない、真の地元の市場であるスークイルギザ。明らかに雰囲気が違う。よく知らずにカメラを持ってずんずんと奥に進んでいき、まったく観光客がいないことに気がついた。逆にすれ違う全ての人の視線がこちらに向いていることに気がつく。や、やばい。。。
しかし目に入ってくるものは本当のエジプトの暮らしであった。魚、肉、野菜、果物など食べ物はあふれているし、子供も大人も関係なく働いている。イスラムの格好はしているが女子学生がジューススタンドでジュースを買い、喫茶店では水タバコを楽しみながら、おじさんが談笑しあっている。確かに建物や衣服はぼろぼろだ。しかし何か人としての活気を感じるのだ。
最初は危険かもしれないと考えていたが、それはすぐに消えていった。すれ違う人の視線は好奇心の視線だ。そして声を掛けてくれる人が本当に多い。子供もおじさんも「ハロー」「ウェルカム、カイロ」。きっと他の英語を知らないのだろうが、みな口々にそう言うのだ。カメラを見ると、ぜひ自分達を取ってくれとジェスチャーし、カメラを向けるとみなにこやかに写ってくれる。観光地のようなバクシーシ(チップ)を要求されることもない。写真はパンを運んでいる少年。ちらちらとこっちを見ていたので写真を撮って欲しいのかとカメラを構えたらニコニコしながらポーズしたので。


ホテルに戻るときも、なかなかタクシーを捕まえられず、捕まえても言葉が通じずに乗せてもらえなくて困っていると、見知らぬおじさんが寄ってきてタクシーを止めて目的地を伝えてくれた。にこやかに手を振って見送ってくれた。


今まで2人のエジプト旅行に行った人の話を聞いたことがあるが、エジプト人は嫌いだという意見で一致していた。いったいどんな人たちなんだろうと思っていたが、実際に自分自身で行った感想はいい人達だとなった。観光地には観光客狙いの詐欺まがいの人が多いが、エジプト人の本当の姿はすばらしい人たちなのではないかと思う。