父親と嫁

chikabo2006-05-21

友人の日記に、実家がリフォームするので自分の部屋がなくなるのが悲しいと書いてあった。確かになくなるのは悲しいだろうな。嫁の実家も建て直ししたときは事前に里帰りして生まれ育った自分の家をひたすら写真に撮ったものだ。


それはさておき、その日記には里帰りしたときに自分の部屋がなくては、旦那も自分もくつろげないということが書いてあった。そうだねえ、普通は気を使うものだよね。義理の親子と言えどもあくまで他人。相方の両親な訳だから最低限の礼儀は尽くさなくちゃいけない。特に女性なら姑には注意ですよ。世の中、嫁姑問題で離婚までなることもあるというのだから、打ち解けたフリをしながらも、隙を見せてはいけない。立派な嫁、いや社会人として当然のことではなかろうか。


しかし僕の家では父親の方に気を配る必要があった。母親はざっくばらんで何をしても気にしないさっぱりした性格なのだが、父親の方はちょっと神経質なのだ。僕ら3人男兄弟というなかで、特に父親は娘を欲しがっていたことも理由としてある。僕が結婚したときは父親の方が娘ができたことをとても喜んでいるようにみえた。結婚してすぐは、ご飯だ、お土産だと何かにつけて実家に来るよう誘われることが多かった。家に嫁が来ると決まったときは何をしてやれば喜んでもらえるのだろうか、どんな話をすればいいのだろうかと思いをめぐらせていたりしたのではないだろうか。


友人と同様に僕の実家にはすでに僕自身の部屋はない。だから実家に帰ったときはリビングで過ごしている。
新婚当初のある里帰り。僕ら家は実家から車で20分ぐらいのところなのだが、夜ご飯を食べてから帰ることになった。母親がリビングが見えるカウンターキッチンでご飯を作り、父親がリビングでテレビを見ていた。普通の嫁ならキッチンに行って「何か手伝いましょうか?」とかテレビを見る父親にお茶を入れたりするものだと思う。
しかしうちの嫁は違う。テレビを見てる父親のその横で、大口開けてぐうすか寝たのだ。ええ、ぱかっと口を開けて、ぐっすりと熟睡。よだれ溢れんが勢いで。
その顔を見て父親失笑。僕も起こすのをあきらめた。


父親も嫁を知るうちに共通点を見つけ始め、最近では父親が嫁と遊ぶのはマージャンか競馬。娘への幻想はすっかり打ち砕かれはしたが、それはそれで楽しそうなのでよかった。
未だに嫁はうちの両親に対して気を配ってるつもりのようだが、すでに手遅れだとわからないのだろうか。
そんなことを日記に書いている今も隣でイビキをかいて寝ている。やめてほしい。