書を買う人

故宮の奥に行くとまたガイドが休憩と言い出し、個室に連れて行く。
ああ、きたきた。
中にはさっきの漢方薬から来たのかと思うような雰囲気バリバリの書家が字を書いている。
これかー。落ち着いた日本語を話せる助手が説明する。権威あるうんたらなんたら。
収入は全て故宮修復に使われますとか。
中国人は日本語を勉強するのがよい。こういう仕事で濡れ手に粟だ。
同じツアー客の定年を迎えて年金生活のおっさんが即決で買っていた。1本4万円。
こらあかんわ。日本人なめられるわ。
嬉しそうに契約書にサインさせる助手。得意そうなおっさんの笑顔が痛い。