業務システムのための上流工程入門―要件定義から分析・設計まで
- 作者: 渡辺幸三
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2003/10/17
- メディア: 単行本
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システムエンジニアとして上流工程を思い出そうと再勉強。非常に懐かしく、かつこれだけまとまった本が出ていることに時代が変わったなあと感じた本。
基本設計だけでなく詳細設計を書き始めるような2年目、3年目に読ませたい。というか読め、これ。
特に世の中の設計者にはDB設計が全く出来ない人間が多すぎる。今かかわっているお客さんのシステムも、何年もメンテナンスし続けた結果なので情状酌量の余地はあるが、変更の仕方が適当すぎる。お客さんに言われるがままに変更したとしか思えないほど。これをSEが考えて追加してるのだがらまったくの素人レベルだ。
で、この本で書かれているのは業務モデル(フロー)、データモデル、機能モデルの3つをきっちり作れるように整理されている。
全体の考え方を語った後、3つの内容の進めかたやポイントを解説。そして各モデルのパターンを説明。このパターンがノウハウみたいなものなので重要かつ参考になるだろうな。
こういう内容を教えたかった。これだけまとまっているとわかりやすい。
あと、僕が入社当時から使っていたフォーマットは、きちんとこのあたりが押さえられているので、意外とちゃんとしているのだなあと言うことも再確認。
上流工程「入門」と書いているので、あくまでもSEが始めて要件定義に関わるときに必要とされる最低限の内容に限られている。これだけやっててもお客さんの満足は十分ではないだろう。もっと業務の勉強もしなくてはいけないし、プロジェクトを推進する方法も、コンサルティング力も身につけないと。そこまでは範囲に入っていないし、あまり触れられていない。できれば、この本に書かれていることが出来たら、次のステップはというところまで踏み込んで欲しかったな。